NHKを退職してまもなく、世界的な奉仕団体であるロータリークラブの会員になりました。まだ30代でしたから、最年少の一人でした。ロータリークラブは20世紀の初頭にアメリカで誕生し、世界の200以上の国と地域に広がって、社会奉仕や国際親善などに取り組んでいます。時をほぼ同じくして、私の主宰するスクールによる朗読ボランティアの活動をスタートさせました。月に1-2回のペースで、大阪を中心に、時には関西各地まで足をのばして、老人福祉施設などで朗読や歌の舞台を披露しています。平成23年には、総務省委託事業である「平和祈念展in神戸」で二日間にわたりボランティアによる朗読会を開催し、多くの来場者に感動を与えました。
ロータリークラブの一員として
NHKを退職すると決まったとき、取材でお世話になった大阪茨木市の有志の皆さんが真っ先にお祝いをしてくださいました。大組織を飛び出して不安が先行していた頃でしたから、とても心強く感じました。そんな茨木市の有志の皆さんからお誘いを受けて、世界的な社会奉仕団体であるロータリークラブに入会させていただきました。まだ30代の若輩者で、メンバーが務まるのかと不安もありましたが、職業を通じての奉仕活動など、諸先輩のアドバイスを受けながら取り組んでいます。所属しているのは茨木東ロータリークラブで、会の発足35周年記念時には、「探検!!茨木どぉーナル」というケーブルテレビの地域情報番組を制作し、地域の魅力を発信するお手伝いをさせていただきました。この他、ロータリーに関連した様々なイベントなどで司会も務めています。
朗読ボランティアとして
そして、平成17年から継続して取り組んでいるのが朗読ボランティアです。主宰する「京橋オンリーワン学園・寺谷一紀アナウンスアカデミー」というカルチャースクールの活動の柱としています。このスクールには、関西一円から職業も年齢も様々の男女が学びに来られていますが、朗読に関心のある生徒さんだけでなく、アナウンサー志望の学生さんにとっても、朗読ボランティアは思わぬ副次効果をもたらしています。アナウンススクールは全国に数多くありますが、朗読ボランティアの活動をしているのは私のところだけですから、就職活動などで自己アピールをする時の大きな武器になっているというわけです。だいたい月に1−2回のペースで、有志の生徒さんとともに老人福祉施設などを訪問しており、45分から1時間の持ち時間をいただいています。古典文学から民話、エッセイまで、聞きやすくわかりやすい作品を中心に、生徒さんが主体的に選んで朗読するというスタイルを取っており、定期的に訪問する施設では、皆さんとても楽しみに待っていてくださいます。朗読だけでなく、歌や楽器演奏、マジックや大道芸を披露することもあり、私の司会進行で、毎回笑いの絶えないステージとなっています。こうしたボランティア活動は、生徒さんのレベルアップにも繋がっていて、メイシアターで毎年実施している私の朗読公演「ナニワのアナウンサー・寺谷一紀の朗読エンターテイメント」にも、毎回コーナーを設けて登場してもらっています。さらには、同時開催しているワークショップでも、参加者のサポートなどで協力をしてもらっています。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
京橋オンリーワン学園・寺谷一紀アナウンスアカデミー
国の主催事業にも参加して
また平成23年10月には、総務省委託事業として神戸市で開催されたイベント「平和祈念展in神戸」に朗読ボランティアとして招聘され、会場内に設けられたステージで二日間にわたり朗読会を開催しました。読ませていただいたのは「思い出のリュック」「金のひしゃく」の二作品で、いずれも旧満州を舞台にした凄惨な戦争の記録であり、満員となった観客席からはすすり泣きの声も聞かれ、感動の舞台となりました。生徒の皆さんと取り組んでいるこうしたボランティア活動は、私にとって、独立後のライフワークの一つとなっています。